米共和党大会 ペンス氏が指名受諾演説


「法と秩序」の維持訴え

 11月の米大統領選に向けた共和党全国大会3日目の26日、副大統領候補に指名されたペンス副大統領(61)が指名受諾演説を行った。ペンス氏は、一部都市で人種差別への暴力的な抗議活動が広がる中、「法と秩序」を維持すると強調。また、民主党大統領候補のバイデン前副大統領(77)が「米国を社会主義と衰退の道に追いやる」と非難し、トランプ大統領(74)の再選に支持を呼び掛けた。

米共和党大会3日目の26日、東部メリーランド州ボルティモアで指名受諾演説を行うペンス副大統領(AFP時事)

米共和党大会3日目の26日、東部メリーランド州ボルティモアで指名受諾演説を行うペンス副大統領(AFP時事)

 ペンス氏は、バイデン氏が先週の民主党全国大会で米国の都市に広がる暴力や略奪について一言も触れなかったと非難。その上で「ミネアポリスでも、ポートランドでも、キノーシャでも、暴力は止めなければならない」と呼び掛け、「われわれはあらゆる信条や肌の色を持つすべての米国人のために法と秩序を保つ」と訴えた。

 ペンス氏は、バイデン氏が警察予算削減に支持を示したと主張し、「米国の都市で暴力を引き起こしている政策を強める」と強調。「バイデン氏の米国は、安全ではないというのが厳しい現実だ」と警告し、法執行機関を擁護する姿勢を明確にするトランプ政権の姿勢と対比させた。

 ペンス氏が、法と秩序に重点を置いているのは、各種世論調査でトランプ氏離れが伝えられる郊外の有権者を取り戻す狙いがあるとみられる。

 ペンス氏はまた、バイデン氏は「急進的な左翼にとってトロイの木馬に他ならない」とし、同氏が大統領に就任すればサンダース上院議員ら左派の影響力が強まると指摘。その政策によって4兆¥外字(93d9)近くの増税が行われるとし、「彼らの政策は政府による管理に基づくが、われわれの政策は自由に基づいている」と違いを強調した。

 演説は1812年に始まった米英戦争で戦場となったメリーランド州ボルティモアのフォートマクヘンリー要塞(ようさい)で行われた。米国歌誕生のゆかりの地でもあり、米国の価値観や伝統を重視する姿勢を示した。

(ワシントン 山崎洋介)