副大統領候補に黒人女性 バイデン氏発表
2020米大統領選
米大統領選の民主党候補指名を確実にしているバイデン前副大統領(77)は11日、黒人女性のカマラ・ハリス上院議員(55)を副大統領候補に決めたと発表した。ハリス氏はジャマイカ系の父親とインド系移民の母親を持ち、主要政党で初の有色人種女性の副大統領候補となる。
バイデン氏はツイッターで、「恐れを知らない闘士であり、この国で最も優れた公職者の一人だ」とハリス氏を称(たた)えた。ハリス氏もツイッターで「ジョー・バイデン氏は国民を一つにできる。彼はわれわれの理想に見合う米国をつくり上げるだろう」と投稿した。
バイデン氏は今年3月、副大統領候補に女性を選ぶと表明していた。その後、白人警察官が黒人男性を暴行死させた事件をめぐって抗議運動が起きる中、民主党内からは有色人種の女性を選ぶべきだとの声が高まっていた。
ハリス氏は、サンフランシスコ地方検事や同州司法長官を歴任後、2017年に同州選出の連邦上院議員となった。今年6月には、警察官にボディーカメラによる現場の撮影などを義務付ける民主党の警察改革法案策定を主導した。
ハリス氏は、昨年12月に民主党候補指名争いから撤退。民主党候補者による昨年6月の討論会では、人種差別主義者と議会で協力したというバイデン氏の過去の発言を厳しく追及し、一時支持率を伸ばしたこともあった。
一方、トランプ大統領は、ハリス氏について「もっとも左寄りの上院議員の一人」と断じ、同氏が大規模な増税や軍事予算の削減に取り組むと主張。18年に最高裁判事に任命された保守派ブレット・カバノー判事の指名公聴会でのハリス氏の発言が「上院議員の中で最も卑劣で、ひどく、失礼だった」とも非難し、対決姿勢を露(あら)わにした。
(ワシントン 山崎洋介)