中国は「宗教への抑圧強化」


19年度版信教の自由報告書
米国務長官「100万人以上が収容所に」

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ポンペオ米国務長官

 米国務省は10日、信仰の自由に関する世界各国の状況をまとめた2019年度版の年次報告書を発表した。ポンぺオ国務長官は記者会見で、中国について「国家が主導し、あらゆる宗教への弾圧を強化し続けている」と批判。

 さらに「中国共産党は、宗教団体に対して共産主義の教義を浸透させることを求めている」とした上で、新疆ウイグル族自治区でのウイグル族大量拘束のほか、チベット族やキリスト教徒、法輪功学習者らへの弾圧は続いていると述べた。

 ポンぺオ氏は、黒人暴行死への抗議デモをめぐるトランプ大統領の対応を中国が批判していることを念頭に「中国は米国の国内問題を政治的目的のために利用している」と批判。

 中国の天安門事件で弾圧された民主化運動の元学生リーダーと先週面会したことにも言及し、「米国には言論の自由があり、平和的な抗議活動ができるが、中国ではできない。米国は宗教の自由を擁護するが、中国は数十年にわたって信仰への戦争を続けている」と述べ、両政府の価値観の違いは明白だと強調した。

 報告書は、100万人以上のウイグル族やイスラム教徒の少数派らが収容所で洗脳されたり、拷問を受けたりしていると指摘。また中国政府は、すべての宗教の教義とその実践を中国共産党の教義に沿ったものにする「中国化」の取り組みを継続しているほか、宗教施設の使用を認める条件として、監視カメラの設置を求めているとした。

 一方、報告書は北朝鮮について、国連報告書に基づき信教の自由が「ほぼ完全に否定されている」と説明。政府が死刑や拷問などによってほぼすべての宗教活動に従事している人々に厳しく対処し続けているとの複数の報道があるとしたが、北朝鮮の閉鎖性のため、逮捕や処罰の事実の確認は困難であるとも指摘した。

(ワシントン 山崎洋介)