ブラジルで死者1万人を突破、感染拡大とまらず
ブラジル保健省は9日、新型コロナウイルスによる感染者が15万5939人、死者が1万627人になったと発表した。感染者数は世界8位、死者数は世界6位の数字となっている。特に、新規感染者数はここ数日1万人超えが続いており、ロシアと並び、さらなる感染拡大が懸念されている。
また、致死率が6・8%と高いが、判定結果待ちの患者が10万人近くいることや、検査キットの絶対数が足りないこともあり、感染症の専門家からは実際の感染者数は公表値の7倍以上との指摘も出ている。
こうした中、サンパウロ州などの地方自治体は、独自に外出禁止や商業活動の制限を含む隔離政策を導入しているが、外出自粛率が思うように伸びておらず、感染拡大に歯止めがかかっていない。北部アマゾナス州マナウス市など医療崩壊が起きている都市も出ており、集中治療室を使用する患者の選別も始まった。
ブラジル最大の2万4000人の感染者を出しているサンパウロ州では、11日から解除する予定だった外出規制を今月末まで延長することが決まった。感染拡大が顕著となっている北東部やリオデジャネイロ州では、都市封鎖を行う自治体も出ている。
一方、ボルソナロ大統領は、隔離政策に一貫して反対しており、7日には最高裁に対し、地方自治体が採用している外出禁止令などの強制解除を求めた。サンパウロやブラジリアなどでは、ボルソナロ支持派による外出規制反対を求めるデモも行われている。
(サンパウロ 綾村悟)