ブラジルでサッカー競技場を野戦病院へ
プロクラブが提供
新型コロナウイルスの感染者が23日までに1891人を記録したブラジルで、サッカー競技場を野戦病院として提供するプロクラブが増えている。
これまでに、強豪コリンチャンス(本拠地サンパウロ)や日本代表の本田圭佑選手が所属するボタフォゴ(本拠地リオデジャネイロ)を含むブラジル1部の11クラブ(全20クラブ)が競技場や練習場の提供を申し出ている。コリンチャンスの競技場は2014年のブラジルワールドカップ(W杯)の開幕戦に使用された。
ブラジルでは、特に大都市圏を中心に感染者が増えることが想定されており、既存の病院だけでは対応できない可能性が高い。野戦病院では、比較的軽症で集中治療室での治療が必要ないと判断された感染者が収容される見通し。
1950年のブラジルW杯開催のために建設された由緒ある競技場で、サッカー博物館が併設されているサンパウロ市中心部のパカエンブー競技場でも野戦病院が設置された。同市ではこの他の競技場を含め数千人規模の収容が可能。
同国の保健当局は、4月後半から6月が感染のピークになると予測、最悪の場合には4月末にブラジルの医療システムが崩壊しかねないと警告している。
現在、ブラジルサッカーは国内全てで公式戦が一時中止となっており、カタールW杯の南米地区予選も中断され、選手たちの屋外トレーニングなども禁止されている。
(サンパウロ 綾村悟)