米コロナ感染マップ、台湾表記めぐり二転


一時「台北とその周辺」に

 米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)が公開している世界の新型コロナウイルス感染者、死者数などを集計したサイトで、台湾の表記が一時「台北とその周辺、中国」に変更されていたことが分かった(写真)。中国はこれまでにも、航空会社など民間企業に圧力をかけ、台湾の表記を変更させている。

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 国別リストの表記が台湾から変更されたのは9日から10日にかけて。台湾政府はこれに強く反発し、外交部(外務省)報道官は声明で、「不適切な表記」について「直ちに大学に(台湾への)変更を求めるよう、米国内の代表部に命じた」ことを明らかにした。

 11日には、表記は台湾に戻され、「地名に関しては、米国務省が使用している呼称に合わせた。これには台湾も含む」と注釈が付けられている。

 米ニュースサイト「アクシオス」に対し大学広報は、当初は世界保健機関(WHO)の呼称に合わせ「台北とその周辺」に変更したと説明していた。再度、表記を改めたことについては、「さらなる検討の結果、国務省の呼称を使用する」ことを決めたという。

 この問題については米共和党のマルコ・ルビオ上院議員もツイッターで、「台湾が中国の一部として記載された」と不満を表明していた。

 CSSEは、1月22日にサイトを公開。メディアでも引用されるなど、世界的に注目されている。

(外報部)