バイデン氏が大差で初勝利、サウスカロライナ州予備選


サウスカロライナ州予備選

 米大統領選の民主党候補指名争いは2月29日、南部サウスカロライナ州で第4戦となる予備選を行い、中道派のバイデン前副大統領(77)が2位以下に大差をつけて初の勝利を収めた。バイデン氏はこれまで三つの予備選・党員集会で敗れていたが、挽回に向け今後の戦いに望みをつないだ。

バイデン前副大統領

2月29日、米サウスカロライナ州コロンビアで、笑顔で演説する民主党のバイデン前副大統領(AFP時事)

 集計率99%の段階で、バイデン氏の得票率は48・4%で、指名争いのトップを走る急進左派、サンダース上院議員(78)の19・9%を大きく上回った。慈善活動家のステイヤー氏が11・3%で続き、最若手のブティジェッジ前サウスベンド市長(38)が8・2%、ウォーレン上院議員(70)が7・1%、クロブシャー上院議員(59)が3・1%だった。

 バイデン氏は州都コロンビアで支持者を前に「ほんの数日前、マスコミや評論家は『死んだ』と宣言した。しかし、われわれは大きく勝利し、しっかりと生きている」と勝利宣言した。

 サウスカロライナ州は、これまで予備選・党員集会が行われた3州と比べ、黒人票の割合が圧倒的に多く、その行方が焦点となった。バイデン氏は、黒人層からの支持を固めたほか、穏健・保守層から多くの支持を得て勝利した。

 NBCニュースの出口調査によると、回答した有権者の56%が黒人で、そのうち約60%がバイデン氏に投票。バイデン氏はまた、穏健・保守派の有権者の54%、少なくとも週に1度は宗教的活動に参加すると答えた有権者の56%の支持を獲得した。

 一方、サンダース氏に投票した黒人は約17%にとどまり、黒人の多い南部での戦いに課題を残した。

 指名獲得争いで最大のヤマ場となる3日の「スーパーチューズデー」では、多くの州でサンダース氏が優位に立っており、サウスカロライナ州でのバイデン氏の勝利が劣勢の挽回につながるか注目される。

(ワシントン 山崎洋介)