トランプ大統領が中絶反対集会に現職で初参加
「神が与えた権利守る」
米首都ワシントンで24日、人工妊娠中絶に反対するデモ集会「マーチ・フォー・ライフ(命のための行進)」が開催され、トランプ米大統領が現職大統領として初めて出席した。トランプ氏は、「すべての子供が神から与えられた可能性を実現する権利を守るために来た」と強調。11月の大統領選に向け、保守層の支持基盤固めを図った。
トランプ氏は、海外で人工妊娠中絶を実施・推進する団体に対し米国からの資金提供を禁じる「メキシコシティ政策」の復活などを政権の実績として挙げ、「胎児がホワイトハウスでこれほど強力な擁護者を持ったことはなかった」と訴え、聴衆の喝采を浴びた。
トランプ氏はまた、「中絶に関して、民主党は近年、最も過激で極端な立場を受け入れてきた」と指摘。「議会のほぼすべての民主党議員は、税金で補助する誕生直前までの後期妊娠中絶を支持している」と野党批判を展開した。
米国では昨年、保守色の強い州で、人工妊娠中絶を厳しく制限する法律の制定が続いた一方、リベラル色の強い州では、これに対抗して中絶の権利を拡大させる動きが相次いだ。大統領選が近づく中、国論を二分する中絶をめぐり保守とリベラルの対立が再燃している。
デモは、連邦最高裁が1973年に女性の妊娠中絶権を認めた「ロー対ウェイド判決」を下した翌年から毎年開催されており、今年が47回目。参加者は、「赤ちゃんに命を」などと訴えながら、ワシントン記念塔周辺から最高裁まで練り歩いた。
(ワシントン 山崎洋介)