イスラエルで9月に再選挙


ネタニヤフ首相 連立不成立

 イスラエルのネタニヤフ首相による新政権発足に向けた連立協議が不成立に終わり、イスラエル国会は30日未明、国会解散法案を74対45の賛成多数で可決した。9月17日に総選挙を行う。再選挙は1948年のイスラエル建国以来初めて。

ネタニヤフ首相

29日、エルサレムのイスラエル国会で記者会見するネタニヤフ首相(AFP時事)

 イスラエルでは4月9日に総選挙(定数120)が行われ、ネタニヤフ首相率いる右派の与党リクードが35議席を獲得。リブリン大統領がネタニヤフ氏に組閣を要請していたが、期限の29日までに過半数の支持を得られずに組閣を断念した。

 総選挙では中道政党連合の「青と白」がリクードと同じ35議席を得たが、リブリン大統領が基本法(憲法に相当)に従ってネタニヤフ氏の次に「青と白」のガンツ元軍参謀総長に組閣を指示する前にリクードが国会解散法案を提出した。

 連立の妨げとなったのは、リーベルマン前国防相率いる極右「わが家イスラエル」との確執。リーベルマン氏は連立入りの条件として、超正統派ユダヤ教徒の徴兵免除を廃止する法案の成立を主張していた。ネタニヤフ氏は記者団に「リーベルマン氏は合意する意思がなかった」と批判した。再選挙後までイスラエルの政権不在の長期化は避けられないことになった。

(エルサレム 森田貴裕)