アルジェリア大統領辞任
20年の長期政権に幕
北アフリカ・アルジェリアで、4期20年にわたる長期政権を維持してきたアブデルアジズ・ブーテフリカ大統領(82)が2日、辞任した。同国の国営テレビが同日、報じた。
大統領府は1日、今月28日の任期満了を待たずに退任すると発表したが、辞任を求めるデモが終息する気配を見せないこともあり、即時辞任を決断したものと見られる。ブーテフリカ氏は、大統領府を通じた声明で辞任の理由を、「国民が望むより良い未来を共に築くため」と説明した。
辞任を受けた後の政治日程では当面、上院に相当する国民評議会の議長が90日間大統領の職務を代行し、その間に大統領選挙が実施されることになる。
アルジェリアでは1991年に、イスラム根本主義勢力が総選挙に勝利したことから、軍が介入、双方の戦闘による内戦に突入したが、99年に大統領となったブーテフリカ氏が内戦終結に貢献、信任を受けてきた。ただ2013年に脳梗塞で倒れて以来、車椅子生活となり、公の場にほとんど姿を見せていなかった。
アラブの春以降、独裁的な強権者が権力を離れて以降、国内の混乱が深まる傾向を示しており、アルジェリアがその徹を踏まず、平和的な政権交代が実現するかどうか、その行方が注目される。
(カイロ 鈴木眞吉)