米英仏、シリア攻撃 化学兵器使用と断定
3施設を標的
米英仏の3カ国は13日、シリアのアサド政権が首都ダマスカス近郊で化学兵器を使用したとして、軍事攻撃を実施した。トランプ氏は米東部時間13日午後9時(日本時間14日午前10時)ごろホワイトハウスで演説し、シリアの化学兵器関連施設に対し「精密攻撃」を実施したと発表した。
トランプ氏は、シリアへの攻撃は「化学兵器の製造、拡散、使用を抑止する」ためものものだとし、「アサド政権が化学兵器の使用をやめるまで対応は続く」と強調した。
トランプ政権によるシリアへの大規模な軍事作戦は、昨年4月に巡航ミサイル「トマホーク」59発を発射したのに続き2回目となる。
米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は記者会見で、攻撃の標的になったのはシリアの首都ダマスカスの化学兵器の研究施設や中部ホムス近郊にある化学兵器保管庫など3カ所だと発表。「アサド政権の化学兵器能力を長期的に大きく後退させた」と強調した。
マティス国防長官は記者会見で、昨年4月6日に実施した際に比べ「ほぼ2倍の兵器を使った」と述べた。米国や英仏両国に戦闘による損害があったという情報はないとした。同氏はまた、「今のところ、一回限りの攻撃だ」と述べる一方、アサド政権が再び化学兵器を使用すれば今後も攻撃を実施する可能性にも言及した。
米メディアによると、攻撃には、トマホークやB1爆撃機などが使用された。
トランプ氏は演説で、アサド政権が化学兵器を使用したと断じ、「人間ではなく、怪物の犯罪だ」と非難。アサドを支援するロシアやイランに対しては、「無実の人や子供を大量殺戮(さつりく)する国と関係を持つのか」と批判した。
今回、アサド政権の後ろ盾であるロシアの警告を無視して攻撃に踏み切ったことで、米露関係はさらに緊張するとみられる。
(ワシントン山崎洋介)