イスラエル治安部隊とデモ隊が衝突

パレスチナ人3人死亡、300人以上負傷

 東エルサレムとヨルダン川西岸の数十カ所で21日、エルサレム旧市街のイスラム教聖地ハラム・アッシャリフ(ユダヤ教呼称「神殿の丘」)でのイスラエルの治安対策に抗議するパレスチナ人デモ隊とイスラエル治安部隊との間で激しい衝突が起き、パレスチナ人3人が死亡、300人以上が負傷した。

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21日エルサレムのイスラム教聖地付近で、抗議デモを行うパレスチナ人に催涙ガスを使用するイスラエル治安部隊(AFP=時事)

 衝突は、イスラム教の集団礼拝後に発生、イスラエル警察は、抗議行動の拡大を阻止するため、旧市街近くの通りを封鎖し、警官約3000人を配備していた。

 警察によると、東エルサレムとヨルダン川西岸で、3000人以上のパレスチナ人が抗議活動を行った。

 ハラム・アッシャリフ付近で14日、警官2人が殺害された銃撃事件を受け、イスラエルのネタニヤフ首相は、治安対策として、入り口に金属探知機の設置を決定。イスラエル警察は、イスラム教徒の入場を制限し、50歳未満男性の入場を禁止した。

 ハラム・アッシャリフを管理するヨルダンは、イスラエルに対し金属探知機の撤去を繰り返し訴えた。

 イスラム教指導者らは、金属探知機の通過を拒否するよう促し、数千人のイスラム教徒が敷地の外の通りで礼拝を行った。

 米国に緊急介入を求め、イスラエルに金属探知機の撤去を要求していたパレスチナ自治政府のアッバス議長は21日の声明で、「イスラエル側との全ての接触を停止する」と発表した。

(エルサレム森田貴裕)