刑務所を空爆 70人死亡 イエメン
イエメン北西部の都市サアダで21日、反政府武装組織フーシ派の支配下にある刑務所に対する空爆があり、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」によると少なくとも70人が死亡、138人が負傷した。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが同日、報じた。
アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで17日にフーシ派のドローン(無人機)攻撃により3人が死亡したことを受け、サウジアラビア主導の連合軍はフーシ派への攻撃を強化している。連合軍の報道官は、サアダで空爆を実施したかどうかについては調査中と述べた。
国連のグテレス事務総長は21日、声明で「民間人や民間施設への攻撃は国際人道法によって禁止されている」と述べ、空爆を非難した。ブリンケン米国務長官は21日の声明で、イエメンの紛争当事者に自制を求めた。
一方、西部の港湾都市ホデイダでは21日、連合軍が通信施設を空爆し、3人が死亡した。国内でインターネットが停止しているという。
イエメン内戦では、2015年にサウジやUAEが暫定政府を支援して軍事介入。以来、フーシ派はサウジに対しドローンや弾道ミサイルを使った攻撃を繰り返している。
(エルサレム 森田貴裕)