イスラエル、ガザ攻撃継続
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム根本主義組織ハマスとの交戦は20日、11日目を迎えた。
イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザ地区にあるハマスの攻撃用地下トンネルや地下ロケット発射台など多数を標的に空爆を行ったと明らかにした。
イスラエル軍報道官は、20日朝の空軍機による攻撃では、多連装ロケット弾発射機や武器庫、地下トンネル網にある司令室なども破壊したと述べた。ハマスは、武器庫に推定1万2000発のミサイルや迫撃砲を保持し、まだ発射できるロケット弾も十分に持っているという。イスラエルのネタニヤフ首相は19日のバイデン米大統領との4回目の電話会談においても、目的が達成されるまでは軍事作戦を継続するとしており、イスラエル軍は攻撃の手を緩めていない。
一方、ガザ地区からは20日も、イスラエルに向けて多数のロケット弾や迫撃砲弾などが発射された。また、レバノンからもロケット弾4発が発射され、うち1発をイスラエルの防空システム「アイアンドーム」が迎撃した。北部の都市ハイファやアッコなどには防空シェルター使用準備の指示が出された。
ガザ保健省によると、空爆が始まった10日以降、ガザ地区では少なくとも230人が死亡した。
イスラエル軍によると、これまでにガザ地区からは4000発以上のロケット弾や迫撃砲弾が発射され、イスラエル側で12人が死亡した。
イスラエル軍によれば、ハマスは民間人を盾に、学校など民間施設の近くを軍事拠点にロケット弾を発射しているという。
また、ガザ地区の死者のうち少なくとも160人は武装組織の戦闘員で、ガザ保健省が発表する犠牲者数に含まれていない可能性があるという。また、ガザ地区北部ベイト・ハヌーンでは、武装組織がイスラエルへ向けて発射したロケット弾が着弾し、パレスチナ人家族8人が死亡した。
(エルサレム・森田貴裕)