イスラエル軍がガザ地上攻撃 死者130人超

一段と情勢悪化

 イスラエル軍は14日、パレスチナ自治区ガザ地区との境界から地上部隊がイスラム根本主義組織ハマスやイスラム聖戦の軍事拠点などを標的に砲撃を開始した。
(エルサレム・森田貴裕)

13日、イスラエル軍に空爆されるパレスチナ自治区ガザ(AFP時事)

13日、イスラエル軍に空爆されるパレスチナ自治区ガザ(AFP時事)

 イスラエル軍の地上部隊は、対戦車誘導ミサイルやロケット弾の発射台などに対し約550発の砲撃を実施。同軍は地上侵攻の可能性に向けて準備を行っているという。

 イスラエル軍は空爆も強化しており、空軍機160機がガザ地区北部で武装組織の地下トンネルや軍事拠点など150カ所を標的にミサイル450発を発射した。同軍は交戦が始まって以来、ガザ地区で750カ所以上を空爆し、ハマスが軍事施設として使用していた四つの高層ビルなどを破壊した。

 ガザでは、空爆が始まった10日以降、これまでに子供28人を含め少なくとも122人が死亡、600人が負傷した。

 一方、ガザ地区からはイスラエル南部や中部に向け、これまでに約2000発のロケット弾や迫撃砲弾が発射され、イスラエル側では9人が死亡、400人が負傷した。

 死者は双方合わせて130人を突破。7日にエルサレムで激化したイスラエル警官隊とパレスチナ住民のデモ隊の衝突を発端とする情勢の悪化は、歯止めがかからなくなっている。

 イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスを罰し、イスラエルの平穏な状態を回復するため、必要な限り攻撃を継続する」としており、今後、地上侵攻を行う可能性もある。

 実際にガザ地区への地上侵攻が行われれば、2014年夏の大規模軍事作戦以来となる。