トルコ感染者、中東最多の8万2000人


検査強化でイラン超える

 トルコ保健省は18日、新型コロナウイルス感染者数が8万2329人(前日比3783人増)、死者数が1890人(前日比121人増)になったと発表した。感染者数はイランを上回り、中東地域で最多となった。ただ、死者数はイランが依然5301人で最も多い。

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新型コロナ感染防止のためマスクをして買い物をするトルコの女性たち=17日、アンカラ(AFP時事)

 トルコでは、1日4万件を目標に検査態勢を強化しており、最近の1週間は1日の感染者数が4000~5000人台に上っていた。トルコが検査態勢を強化した理由は、感染者と接触者の特定を急ぎ、早期治療を実現するためだ。

 トルコ国内で感染者が初めて確認されたのは3月11日。その後、海外からの帰国者を通じたとみられる感染が急拡大し、同18日に初の死者が出た。中国と関係を持っていた89歳の人物とされる。

 エルドアン政権は、重症化リスクの高い65歳以上の高齢者や持病のある人の外出を禁止、スポーツジムや喫茶店、映画館、大学などを閉鎖するなどした。

 その後さらに、20歳以下の外出を禁止するなどし、段階的に規制強化を図ったが、感染拡大に歯止めがかからなかった。このため、スレイマン・ソイル内相は4月10日、週末の2日間、首都アンカラや最大の商業都市イスタンブールなど主要13カ都市で、外出を禁止すると予告なしに発表した。

 しかし、外出禁止令が開始のわずか2時間前に発出されたことから、食料などを買い求める市民が食料品店などに殺到し混乱が生じた。内相は辞意を表明したが、エルドアン大統領は12日、内相の辞任を拒否し事態の収拾を図った。

(カイロ 鈴木眞吉)