米副大統領がイラク訪問
イランの影響懸念、クルド重視も
ペンス米副大統領は23日、イラクを予告なしに訪問し、同国中部のアサド空軍基地で駐留米兵を激励した。ペンス氏のイラク訪問は就任後初めて。
ペンス氏は同基地で米兵約150人を前に演説し、兵士らの待遇改善を強調するとともに、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の指導者だったバグダディ容疑者急襲作戦を振り返り、米兵らの拍手を浴びた。
治安上の理由で首都バグダッド訪問は実現しなかったものの、アブドルマハディ首相と電話会談し、英メディアによると、「イランの有害な影響力がイラク全土に広がっていること」に懸念を表明した。
ペンス氏はまた、イラク北部アルビルで、クルド自治政府のバルザニ議長と会談し、「クルド人部隊と共に、ISなどのテロ組織の復活を阻止する決意に変わりがない」と述べ、今後とも、米国とクルド人勢力の強い絆を維持する姿勢を強調した。
トランプ米政権は先月、シリア北部で、対IS戦でクルド人部隊と共闘していた米軍部隊の撤退を表明、クルド人を敵視するトルコの侵攻を事実上容認したことから、「クルド人切り捨て」との批判が相次ぎ、一部の部隊を残留させると発表していた。
(カイロ 鈴木眞吉)