北朝鮮が中露の反発恐れ挑発停止
韓国の専門家ら指摘
北朝鮮が昨年末、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射とみられている米国への「クリスマスプレゼント」を実施しなかったのは、関係が良好な中露の反発を恐れたからだと、韓国の専門家が指摘した。
韓国の情報機関、国家情報院傘下のシンクタンク、国家安保戦略研究院の李基同副院長は今後の北朝鮮の動向について、ワシントン・タイムズ紙に「最も親密な国、中国が深刻な問題を抱え、北朝鮮としてはさらに悪化させたくなかった。今後3~4カ月は静かだろう。北朝鮮が世界に対して挑発的、危険な行動を取ることはない」と述べた。
北朝鮮は2019年末、米国が短期間での非核化要求を取り下げなければ、「新たな道」を取ると威嚇していた。李氏は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がICBMや潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射で中露の反発を招き、国際社会での両国の支持を受けられなくなる「副作用」を恐れたのではないかと指摘した。
また、同研究院の金仁泰研究員は、北朝鮮は現在、「暗礁に乗り上げた対米交渉」に備えるため、体制の立て直しを進めていると指摘、「政権内の230人の幹部のうち約30%を入れ替えた」と述べた。新外相に退役陸軍大佐の李善権氏を就任させたばかりだ。
また、世宗研究所の白鶴淳所長は、米国は大統領選の年であり、「北朝鮮政策で新たな動きはないと北朝鮮は思っている」と指摘、「米国が挑発しない限り、挑発することはない」と、当面は静観の構えとの見方を明らかにした。
(ワシントン・タイムズ特約)