収容者から臓器移植の懸念 /日本ウイグル協会
日本ウイグル協会が証言集会
100万人とも300万人ともいわれる中国による21世紀最悪の強制収容の実態を語るウイグル人証言集会(主催=日本ウイグル協会)が30日、参議院議員会館で行われ、在日ウイグル人や地域研究者など約80人が集まった。
同協会のイリハム・マハムティ会長は、「ウイグルの強制収容所は人権弾圧とは次元の異なる国家犯罪であり、民族文化を根底から破壊しようとしている」と中国政府を糾弾した。
イリハム氏が特に強調したのは、中国で1兆円ビジネスになっている臓器移植産業に、強制収容されているウイグル人の臓器が使われている懸念があることだ。
集会ではハッカーによって流出したとされるビデオが放映された。
そのビデオには昨年9月28日、カシュガルに強制収容されていたウイグル人2000人が、秘密裏に専用列車で移送されている様子が映っている。彼らは着衣の色でグループ分けされ、手錠をはめられ目隠しされた状態で移送されている。
目的地は青海省や黒竜江省だとされ、そこには軍の病院が存在するという。しかも移送対象は25歳から45歳までの男性だけとなっている。
SMGネットワークの野村旗守事務局長は「中国では年間6万人から10万人の臓器移植手術が行われている。それだけ臓器が切り取られているわけだが、最大の被害者はウイグルの人々だ」とし、「臓器は冷凍保存はできず、生きたままの臓器が必要で、運ぶには時間がかかるから人の方を移しているのではないか」と指摘した。
フランス通信は昨年、公的資料による分析や衛星写真などを使って少なくとも181カ所の強制収容所が存在すると報道。英BBC放送は潜入取材などを通じ、ウルムチ郊外のダワンチンには13万人を収容できる大規模収容所があると報道している。その数に関し、国連は昨年6月に「少なくとも100万人」とし、米国防総省は今年5月、「300万人近い」とリポートしている。