「香港人権法案」可決求める
民主派リーダー 黄之鋒氏、米議会で証言
香港民主派による2014年の大規模デモ「雨傘運動」の元学生リーダー、黄之鋒氏が17日、米議会の公聴会で証言し、香港で「一国二制度」が崩壊する寸前だと指摘。中国を牽制(けんせい)するために超党派の米議員が6月に提出した「香港人権・民主主義法案」を可決するよう求めた。
黄氏は、香港の現状について「『一国一制度』に危険なほど近づいている」と指摘。「中国はわれわれの自由を根絶しつつ、世界での香港の地位による経済的利益を享受するべきではない」とその強権姿勢を批判した。
法案は、「一国二制度」を前提に香港に認める関税や査証(ビザ)発給などの優遇措置継続の是非を判断するため、香港自治が保障されているか検証することを米政府に求めている。このほか、中国本土への容疑者引き渡しに関与した人物への制裁措置なども盛り込んでいる。
黄氏は、香港に対する政治的締め付けを強める中国について「自由社会を全く理解することはもちろん、統治することができないことを明らかにしている」と語った。
また、中国軍が香港と中国本土の境に集結しているとし、「(建国70年の節目に当たる)10月1日の国慶節が過ぎれば、何が起きるか分からない」と述べ、中国の介入に強い警戒感を示した。
(ワシントン 山崎洋介)