民主・自由・人権でアジア連帯を、中国など批判デモ行進
大使館前で抗議も
中国や独裁政権による人権弾圧に苦しむアジア諸国・民族出身の日本在住者らが9日、民主・自由・人権の尊重を訴え都内でデモ行進を行った。
デモには中国当局から弾圧を受けているウイグル、チベット、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)、香港に加え、軍事政権、独裁政権の圧政に反対するミャンマー、カンボジア出身の人々が集い、連携を確認。約600人(主催者発表)が国連大学前を出発し、表参道、渋谷周辺を練り歩いた。
出発に当たり、自民党の長尾敬衆院議員があいさつ。中国による人権弾圧問題について「日本の国会の心が一つにならない背景には中国共産党のロビー活動等があるのではないか」と指摘。「国会議員の中でも(弾圧の)根拠があるのかという議論があるが、ここに集まった皆さんの発言が証拠だ」と強調し、デモ隊の先頭を歩いた。
続いて各民族の代表が発言し、日本ウイグル協会の于田ケリム会長は「日本の国会と社会、国連は、現在中国で起きている人権弾圧を無視しないで、一刻も早く悪夢を終わらせるために具体的な行動を起こしてください」と訴えた。
デモ行進に先立ち、南モンゴル出身者らは東京・西麻布の中国大使館周辺で抗議活動を行った。「南モンゴルクリルタイ」のオルホノド・ダイチン幹事長は、5月11日に南モンゴルでモンゴル人青年のメルゲンさんが漢人の開発業者のトラックに轢(ひ)かれ亡くなった事件から10年を迎えるに当たり、「この日を『南モンゴルを応援する日』と定める」と呼び掛けた。同団体は、中国共産党に対し、内モンゴル自治区の民族学校でのモンゴル語による授業の復帰、漢人の移民政策の停止などを求めた声明文を発表した。