モンゴル語保護国際会議 中国の「人権侵害許されない」
衆院会館で前大統領ら訴え
中国・内モンゴル自治区における教育の漢語化政策に反対するモンゴル人らによる国際会議が19日、衆院第1議員会館で行われ、内モンゴル出身者らが実情を訴えた。
会議では、上野宏史議員(自民)ら国会議員が登壇。上野氏は「モンゴルの文化や言語が奪われることは許されない。中国だからという先入観を持つのではなく、事実を把握することが大切だ」とした上で、「モンゴル人と日本人は同じ蒙古斑を持つ民族として共に頑張ろう」と呼び掛けた。
モンゴル国からリモートで講演したツァヒア・エルベグドルジ前大統領は「モンゴル語とモンゴル文字はモンゴル人の作った財産であり、他の国や民族から一方的に禁止されることはあってはならない」と語り、「モンゴル語を禁止することはそこで暮らす子供たちの人権を否定することだ」と批判した。米ハーバード大留学時代の同級生だったという上野氏とエルベグドルジ氏が互いに当時の思い出を語り合う場面もあった。
政治学者のボヤント氏は、「中国教育部は内モンゴル自治区における普通話(標準語)普及プロジェクトに5・52億人民元(約87億円)を歳出した」と指摘。日本への要望として、南モンゴル(内モンゴル自治区)に対するODAの実態調査などを訴えた。同会議には原田義昭、宮澤博行、長尾敬、杉田水脈の各議員らが出席し、あいさつした。