香港民主派排除「深刻な懸念」、米英加豪NZの5外相が共同声明
中国に議員の復職を要求
香港政府が中国政府の方針を受け民主派議員4人の資格を剥奪したことをめぐり、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド5カ国の外相は18日、共同声明を発表し、「深刻な懸念」を表明。「香港の高度な自治や権利、自由をさらに損なうものだ」として、資格が剥奪された議員を直ちに復職させるよう求めた。
香港政府は11日、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会が香港立法会の議員資格として中国や香港への「忠誠」を求めたことを受け、政府に反対する立場の民主派4人の議員資格を失効させた。これに対して、民主派の立法会議員15人が、抗議のため一斉に辞職届を提出している。
5カ国は議員資格剥奪について、「中国の行動は、国連に登録され法的拘束力がある英中共同宣言に基づく国際的義務の明白な違反」だと非難した。同宣言は、香港の高度な自治を2047年まで保障している。
また、中国政府の決定は「批判的な声を沈黙させるための取り組みの一環」だと指摘し、「香港の安定と繁栄のためには、人々が正当な懸念や意見を表明するための手段を尊重することが不可欠だ」と強調した。
その上で「中国政府に対し、香港の立法会に対する行動を改め、直ちに議員を復職させるよう求める」と述べ、今回の決定を取り消すよう訴えた。
5カ国は英語圏でつくる機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」を構成している。
(ワシントン 山崎洋介)