台湾総統選 蔡英文氏が圧勝再選
台湾の総統選挙の投開票が11日、行われ与党・民進党の現職蔡英文総統(63)が地滑り的圧勝で、再選を果たした。対抗馬の最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長(62)は準備不足と「親中派」の印象が払拭(ふっしょく)できないまま敗北を喫した。野党・親民党の宋楚瑜主席(77)は、両雄の谷間に埋もれ伸び悩んだ。焦点となった立法院(国会、定数113)選は、蔡総統人気を民進党の票田へとつなげた選挙戦略が奏功し過半数を維持、懸念されていた野党が議会の過半数を握る「ねじれ現象」は回避された。2年前の統一地方選で大敗した雪辱を果たし、順風満帆の船出となった。
蔡氏は午後9時(日本時間同10時)、民進党本部前の記者会見場で勝利宣言を行い「さらに4年間の時間をもらったことに感謝し、これからさらにいい台湾にする」と決意を述べた。第2次政権を率いる蔡氏にとって、最大の課題は一国二制度を呼び水に統一攻勢を強める中国に対峙(たいじ)し、台湾の民意となっている「現状維持」 を守り抜くことだ。「私がいれば、台湾は第二の香港にはならない」と選挙戦で訴え続けた蔡氏は、中国に対して「和平と対等、民主、対話」の八字を堅持すると強調した。
総統選の得票率は午後9時の時点で、蔡氏57・2%、韓氏38・5%、宋氏4・2%。蔡氏の得票率は、前回の得票率56・1%を超える見込みだ。
立法院選では、民進党が62議席を確保し過半数となる57議席を超えた。これで野党が圧倒する議会で重要法案成立を阻まれ続けた陳水扁政権時代の轍(てつ)を踏む懸念は払拭された格好だ。
なお立法院選で注目された第三勢力は、柯文哲・台北市長が立ち上げた台湾民主党が二大政党に飽き足らない若者の支持を受け浮上、4議席を確保した。
蔡総統の再就任は5月10日。任期は4年間。