ジンバブエ ムガベ氏、辞任表明
後継大統領就任へ
ジンバブエのロバート・ムガベ大統領(93)は21日、辞任を表明した。同国で37年間続いた長期独裁政治がついに終焉(しゅうえん)した。ムガベ氏が率いてきた与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZAZU-PF)は同日、議会にムガベ氏の弾劾決議案を提出。議会が同大統領への弾劾手続きを開始した直後に議会の審議が中断され、ムデンダ下院議長が「即刻辞任する。円滑な権限委譲を望み、自発的に辞任を決めた」とのムガベ氏の書簡を読み上げた。
次期大統領選は来年9月か?
国営メディアが22日、報じたところによると、エマーソン・ムナンガグワ前第1副大統領が24日、後任の大統領に就任する。同氏は暫定政権を発足させ、来年8月までの残りの任期を務めるという。次期大統領選挙は来年9月になるもようだ。
ムガベ氏は、1980年時の英国からの「独立の英雄」として評価されながらも、政権維持のために野党や活動家らを厳しく弾圧、また経済政策の失敗や、欧米からの経済制裁を受けて国内経済は破綻状態に陥っていた。
さらに、権力に固執して後継者を明確にせず、最後は 解放闘争を共に戦い、後継候補にも目されていたムナンガグワ第1副大統領を解任、妻のグレース氏(52)を後継大統領に指名する意向をちらつかせるなどした。
これに対し、軍や党、国民が一斉に反発、軍は事実上のクーデターを起こしてムガベ氏を軟禁、党はムガベ党首を解任、国民は大規模デモを断行した。
それでも、来年8月までの任期維持を試みて抵抗したものの、弾劾決議案の審議入りを目前にして断念した。
議会は弾劾理由として「憲法上の権限の悪用」や「前例の無い経済崩壊を招いたこと」などを挙げたが、退陣したムガベ氏の処遇も焦点となる。
(カイロ鈴木眞吉)