「新冷戦の真っ只中」　世界サミット

　中国報道で著名な米紙ワシントン・タイムズのビル・ガーツ記者は４日、韓国で開かれている「世界サミット２０２０」の「世界平和学術会議」で講演し、核兵器を保有する共産主義独裁体制の中国を「米国と世界の存続にかかわる脅威だ」と断じ、世界は今、「中国との新冷戦の真っ只中にある」と主張した。

世界サミットの「世界平和学術会議」で講演するワシントン・タイムズのビル・ガーツ氏 ４日午前、韓国高陽市のＫＩＮＴＥＸ（川瀬裕也撮影）

　トランプ米政権が対中政策を全面的に転換し、中国を「競争相手」と呼ぶようになったことを評価しつつも、「イデオロギー上の敵」だとはっきり捉える必要があると強調。「中国はこれまで、能力をたくわえるために時間稼ぎをしていたが、それはもうやめた。共産主義拡張のトロイの木馬である『一帯一路』構想を推し進め、米国の影響力を削ごうとしている」と指摘した。

　その上で、冷戦時代の対ソ連政策のように、中国に対しても強い圧力をかけ、中国の共産主義独裁体制を自由で開かれた法治国家に置き換えなければならないと訴えた。

　ガーツ氏はまた、世界的宗教指導者の故文鮮明師が冷戦時代にワシントン・タイムズ紙を創刊した背景について、「文師は、新聞はニュースを伝えるだけでなく、共産主義の危険な本質について指導者層や国民を教育する役割があるとの信念を持っていた」と強調した。

（高陽（韓国京畿道）世界サミット取材班）