「国際平和言論人協会」が発足
ソウルで創設会議 本紙など3社共催
問題解決へ「報道の力」結集
自由と民主主義の存立基盤としてメディアが21世紀に果たすべき役割について討議する「世界平和言論人会議」が2日、ソウル市内のホテルで開催され、約80カ国から400人以上の言論機関幹部、ジャーナリスト、専門家らが出席した。会議では、世界各国の報道機関が恒久平和の構築に向けて協力する国際組織「国際平和言論人協会」(IMAP)を設立することが決議された。
会議は「共生・共栄・共義の国際環境の確立とメディアの役割」をテーマに、世界日報と姉妹紙の韓国紙セゲイルボ、米紙ワシントン・タイムズの3社共催で開かれた。
基調講演したクリフ・スターンズ元米下院議員(共和党)は、インターネットや人工知能(AI)など新たな技術が世界を変える破壊的な力を持っていると指摘した上で、IMAPが「メディアの倫理基準を確立すること以上に人類への貢献はない」と、その役割に強い期待を示した。
また、韓国新聞協会の李丙圭会長(文化日報社長)は、米中対立や香港情勢などを挙げ、「平和が脅威にさらされる中、言論人の役割が重要だ。言論人は経験と知識をもって世界の葛藤と問題を克服し、平和が定着するために知恵を結集してほしい」と語った。
情報技術の発展により新聞やテレビなど既存メディアのビジネスモデルが根底から揺さぶられているが、ロンドンに本社を置く「イノベーション・メディア・コンサルティング・グループ」のフワン・セニョール社長は、米動画配信サービスのネットフリックスが成功していることを挙げ、「質の高いジャーナリズムにお金を払う人はたくさんいる」と指摘。「お金に値するジャーナリズムになることだけがジャーナリズムを救う」と強調した。
会議では主催者を代表し、世界日報の黒木正博社長、セゲイルボの鄭熙澤社長、ワシントン・タイムズのトーマス・マクデビット会長があいさつ。この中で、黒木社長は「今や人知の力だけでは解決困難な事態に対し、人知の象徴である『三権』を超えていける『言論』が主導的な役割を果たすことが急務だ」と訴えた。
また、韓国政府の朴良雨・文化体育観光相、朴元淳ソウル市長が祝辞を述べた。
会議は、2日から7日までソウルで行われている「世界サミット2020」(主催・UPF)の一環で開かれた。
(ソウル世界サミット取材班)