[明日へのノート]
児童の権利条約と家庭養育
児童虐待について専門家の話を聞く機会があった。最近の事件を受けて必要な対策について語られたが、その中で「児童の権利条約」への言及があった。話を聞くまで気付かなかったが、児童の権利条約が国連で採択されて今年で30年、日本…
子育ても人生の実績だ
今年の母の日は特別だった。人生で初めて経験した母がいない母の日だったからだ。 それほど親孝行とは言えない筆者でも、母の日に何を贈ろうかと悩みながらデパートを探索したり、妻とああだこうだ言いながら、プレゼントを決めたり…
妄想の中の真実
午前6時ごろ、携帯電話が鳴った。兄夫婦の家族と暮らしている父からだった。大正15年生まれで、今年93歳になる父からの早朝電話には慣れている。それに、筆者も親に負けず劣らず早起きになっているから、「こんな朝早くに何だ!」…
高齢者の運転免許返納
高齢ドライバーによる交通事故死が相次ぎ、高齢者の免許返納が増えている。 ただ、決して高齢ドライバーの死亡事故が増えているわけではない。全体の死亡事故が減っている中、高齢者の割合が高くなったということだ。とはいえ、高齢…
どんな資質を育てるのか
教育改革の議論が盛んになってきている。例えば、小学校5、6年での教科担任制の導入。先月、柴山昌彦文部科学相が中央教育審議会に諮問した「新しい時代の初等中等教育の在り方」の中に盛り込まれている。 背景には、教師の働き方…
死語となった「旗日」
10連休の中で最初の祝日「昭和の日」。原稿書きの手を休め、会社周辺の住宅地を歩いてみた。帰省する人や海外旅行に出掛けた人が多いだろうから、静かで散歩にうってつけだと思ったのだ。 40分余り歩く中で、気になったことがあ…
一時停止で「ありがとう」
小学校の入学式を4月に終えたピカピカの1年生も、新しい環境に慣れてきた頃だろう。遊びの延長だった保育園・幼稚園から、勉強中心の小学校。親や幼稚園バスで送迎されていたものが、自分の足で通学を始め、通学路での事故にも気を付…
妻の連休前ストレス
大手旅行会社が今年のGWの過ごし方について事前調査をしてみると、帰省を含めて旅行に「行く」(「たぶん行く」を含む)は4人に1人。意外に家で静かに過ごしたいという人が多い。むろん高齢者などはGWに遠出はしない。 一方、…
物足りなさ残る上野氏祝辞
「あなたたちは頑張れば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、…頑張ってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」 今年の東大の入学式で、女性学(ジェンダー研究)の先駆者で元東大教授の上野千鶴子…
「親になる」ためのプロセス
今春、わが家は子供の中学校卒業式と高校入学式を迎えた。小学校入学時ほどではないが、義務教育が終わったという感慨がある。 ところで高校の入学式では、父母一緒に参加していた保護者が3分の1ほどいた。高校になってもまだ父親…
「言葉狩り」への抵抗
昨年秋、東京都内にある私立の中高一貫校の理事長から、文化祭への招待を受けた。生徒たちが知恵を絞った、さまざまな出展に交じり、「父母会」による絵や習字の作品展があった。「保護者会」を使う学校が一般的になっている中で、父母…
三つの“卒業式”
卒業式シーズンもほぼ終わり、卒業生は入学式や入社式まで、多少の不安を抱えながらも新しい生活に胸をときめかせる時期を迎える。それは春にふさわしい風景だ。 ここ1週間の間に、筆者は三つの“卒業式”を目の当たりにした。最初…
“子育て無免許運転”をなくせ
近年、脳科学研究が進み、しつけと称する体罰が子供に想像以上に悪影響を与えることが分かってきた。 福井大学の友田明美教授の子供の脳画像分析では、ひどい体罰を受けた児童の脳は、感情や理性に関わる右前頭前野の容積が約2割、…
震災後の幽霊談
5年前に白血病で亡くなった同級生の墓が埼玉県内にある。彼の墓参りを終え、同級生4人で食事会会場に向かうタクシー車中での会話。 「アイツ、あの世で何やってんのかな?」 「あの世と言えば、石巻では、まだ幽霊が出るらしい…
スマホの学内持ち込み
今月、子供が中学校を卒業するが、新しい学校に入学する4月にはスマートフォンを持たせることにしている。卒業祝いや入学祝いというわけではない。親の事情で必要に迫られての決断である。新しい学校にも確認して了解をもらった。 …
親権を巡る子の連れ去り
今月19日、離婚した夫婦間の子供を親権者に引き渡す際のルールを明記した、民事執行法の改正案が閣議決定された。 夫婦が離婚した場合、欧米では共同親権が一般的だが、日本は片方の親が親権を有する単独親権を取っている。基本的…
「なぜ、学習するのか」
最近、ふと、中学校1年生の最初の社会科授業を思い出した。 「なぜ、学習するのか」 先生が教室に入るなり黒板に大書したのが、この8文字だった。何が始まるのか分からず、きょとんとしている生徒たちに対し、先生は、ほとんど…
肉親頼れぬ高齢者
単身赴任を続ける東京から、地方にある自宅に帰った。久しぶりに会う妻とゆっくり自宅で過ごしていると、妻の携帯が鳴った。短い通話の後、妻が「Aさんを、病院から彼女の家に車で送ってくるわ」と言った。 Aさんとは、筆者も1度…
自分の対応思い返す「不登校」
教育欄を担当するようになって、不登校、子育て、小中高の公教育現場の話を聞く機会が増えた。今になって思えば、もっと、早く(10年とか15年とか前に)真剣に子育てを考えるべきであったなと、いろいろ考えさせられる場面が多くな…
学生スポーツの指導者
年末年始は高校や大学スポーツの大会が多い。 中でも毎年注目を集めるのが箱根駅伝だ。今年は筆者も子供に冬休みの思い出の一つにしてほしいと、一緒に横浜の沿道で声援を送った。 結果は東海大学の初優勝で終わったが、レースと…
三浦雄一郎さんの挑戦
正月の2日、プロスキーヤーの三浦雄一郎(86歳)さんが、南北米大陸最高峰アコンカグア(標高6961㍍)に挑戦するために日本を出発した。 三浦さんは70歳、75歳、80歳と、エベレスト登頂のたびに名語録を残している。 …
限りがない親としての学び
新年を迎え、「親」歴32年目が始まった。昨年、末の娘も就職して子育てもやっと一段落、といきたいところだが、そうは問屋が卸さない。5人の子供はそれぞれ大なり小なりの問題を抱えていて、一日たりとも心の休まる日がないというの…
元旦の小さな冒険
子供の頃、NHKの「紅白歌合戦」「ゆく年くる年」を見た後、近くの神社に、家族で初詣するのが、わが家の元旦行事だった。 小学低学年だったと思うが、筆者がぐずぐずしていたので、家族が先に神社に向かい、1人取り残されたこと…