[明日へのノート]
謙虚に防災学ぶ時が来た
湿った南風を受けて活発化した前線のために、九州から岐阜にかけて記録的な大雨が続き、深刻な被害が発生した。まだ全容は把握されていないが、テレビ報道によると、瀬戸内海気候のため大雨に慣れていない広島や岡山で一番大きな被害が…
結果かフェアプレーか
スポーツは、道徳教育に格好の材料を提供してくれる。サッカーW杯1次リーグの日本対ポーランド戦。日本は試合終盤、その試合と、同組の他試合が現状のまま終われば1次リーグ突破できることになった。そこで自陣でボール回しで時間を…
“病気”と認められたゲーム依存
先週、世界保健機関(WHO)が、ゲーム依存(ゲーム障害)を病気に認定すると発表した。麻薬やギャンブルへの依存と同じで、病気の世界的な統一基準となる「ICD」改訂版に盛り込まれる。 ゲーム依存、ネット依存の治療を行って…
教科書のバリアフリー化
梅雨に入る6月ごろから、全国の教科書センターや学校、公立図書館などで、来年度から使用される検定教科書の一般展示が行われる。先日、仕事の帰りに教科書センターに立ち寄った。 来年度から道徳の授業で使用される中学校の道徳教…
人生の宝積むスポーツに
日大アメフット部の悪質タックル問題で、監督やコーチの指示に従った選手の潔い記者会見を見ながら、実に残念な思いがした。大学のスポーツがプロでなく、あくまでも教育の一環として行われるのならば、選手に潜在する能力を極限まで引…
内なる“優生思想”
子供の頃、近所にYさんという知能の発達が遅れた女性が、彼女の家族と共に暮らしていた。筆者が小学校の頃、彼女はたぶん30歳前後だったと思う。 友人たちと遊んでいると、Yさんが「仲間に入れてちょうだいよ」とやって来たので…
子供の養育環境改善
先日、机まわりの資料を整理していると、昔の雑誌が出てきた。買ったことも忘れていたが、9年前の『週刊ダイヤモンド』(2009年7月25日号)だ。 この号の特集は「子ども危機―この国で産み育てるリスク」。子供をめぐる五つ…
「こうのとりのゆりかご」11年
棄(す)てられる命を救いたいと、熊本の慈恵病院が始めた「こうのとりのゆりかご」(通称赤ちゃんポスト)は、5月10日でちょうど11年。当初「年に1人あるかないか」という予想に反し、10年で130事例を超えた。 「安易な…
今も思い出す伝説の授業
先日、故郷の弟から電話があって今年の夏に中学時代の同窓会があることを知らせてくれた。皆が還暦を迎える昨年はまだ勤めている人も少なくないだろうから、1年遅らせて開くというのだ。 久しぶりに同窓生の面々のことを懐かしく思…
新入生にとっては“魔の5月”
入学式を4月に終えた小学校、中学校、高校、大学の新入生や、社会人1年生たちも、そろそろ、新しい環境に慣れてきた頃だろう。 遊びの延長だった保育園・幼稚園から、勉強中心の小学校。親や幼稚園バスで送迎されていたものが、自…
セクハラになる性教育!?
セクハラ被害者を支援する「#MeToo」(私も)運動が世界で広がっていることで、日本でもセクハラに対する関心が高まっている。新しい言葉が生まれることで、それまで隠されていた問題が表に出るようになり、社会の認識が改まると…
変わる大学入試に思う
新年度が始まって3週間。毎朝、わが家の前を幼稚園児と小学生、それに中学生が初々しい姿で通る。中3になった筆者の息子と並ぶようにして、この間まで小学生だった子たちが大きめの制服に身を包んで通う姿は、何だか微(ほほ)笑まし…
定年を迎える夫と妻
定年は男性だけのものではないが、定年に関する本は男性が書いたものが多い。軸足を生活に置いている女性と違って、定年は男性にとって格別な意味を持つようである。 以前、地域の集まりで会った男性が、リタイアした時の苦い経験を…
軍事研究は平和を脅かす?
かつて「産学協同」研究が、「大学と独占資本との癒着」「大学教育の独占資本への奉仕」などと糾弾された時代があった。1970年代後半、各大学が創立◯◯周年記念事業のため企業募金を行うと、左翼学生たちが学内で関係教授たちを追…
「ゆとり教育」の核心
入学シーズンだ。大きなランドセルを背負ったちびっ子たちの姿はほほ笑ましい。そのランドセルの傾向として、軽量化が進んでいる。「脱ゆとり教育」で教科書が厚みを増して重くなったからだとか。教科書の厚さだけを見れば、脱ゆとりが…
児童虐待と関係機関の連携
先日、児童虐待に関するシンポジウムに参加した。テーマは児童虐待への刑事的介入と関係機関の連携だ。警察と児童相談所(児相)をはじめ関係機関が連携を強める必要があると言われることが多いが、それには難しい課題がある。 虐待…
博士卒人材を守れ
大学法人化以降、大学の交付金が1割以上も削減する中、若手研究者の研究環境は厳しいものがある。 科学技術・学術政策研究所が公表した「博士人材追跡調査」第2次報告によると、大学院生の2人に1人が週10時間以上のアルバイト…
生涯記憶に残る道徳授業
いよいよ今年の4月から小学校で「特別の教科」としての道徳の教育が始まる。中学校では来年4月からという。と言われても、何十年も昔に小中学生だった筆者の時代にも、学校で道徳の時間があったし、教科書のようなものが配られて、そ…
心のバリアフリー
平昌冬季パラリンピックが9日、開幕する。パラリンピアンと言えば、筆者が真っ先に思い浮かべるのは成田真由美さん(47)だ。冬季ではないが、アトランタ、シドニー、アテネ、北京の4大会連続出場。女子水泳で金15個を含む20個…
親の介護に備える
昨年の暮れ、親族から電話があった。「心配になって……」というので何事かと聞くと筆者の母からお歳暮が送られてきたのだが、なんと同じ品物が日を空けて2回送られてきたという。80歳を過ぎた母が精神的に参っているのではないかと…
里親希望は100万世帯
先日、NPO法人キーアセットが主催する養育里親説明会に参加した。その日、参加者は4人。筆者以外は子育て経験がない。40代のご夫婦は特別養子縁組を希望していた。50代の既婚女性は「大学に行けない若者に教育支援をしてあげた…
意外なフランス人権宣言
「人民は常に憲法を再検討し、改正し、変更する権利を有する。ひとつの世代が、自らの法に将来の世代を従わせることはできない」 これはどこかの改憲派の主張を引っ張ってきたものではない。かの有名なフランス人権宣言(人間および…
春は必ずやって来る!
受験シーズ真っ只中(ただなか)だ。都心を歩くと、受験のために上京してきたと思われる親子連れが目に付くようになった。例年になく厳しい寒さが続いているが、受験生やその家族は余計に身に応えるのではないか。 昨年、次女が大学…