変わる大学入試に思う


 新年度が始まって3週間。毎朝、わが家の前を幼稚園児と小学生、それに中学生が初々しい姿で通る。中3になった筆者の息子と並ぶようにして、この間まで小学生だった子たちが大きめの制服に身を包んで通う姿は、何だか微(ほほ)笑ましい。

 さて、息子が中3になったこともあって、知人に会うたびに「いよいよ受験ですね」と言われる。今のわが家は受験という雰囲気にはなっていないが、義務教育の中学校と本人の意思で通う高校では全く違うことを、親としては意識させられる。

 その受験だが、大学入試が2020年度から変わる。これまでのセンター試験から、「大学入学共通テスト」になる。大きな変更は、記述式問題を取り入れることと、英語で四つの技能(読む・聞く・話す・書く)を評価するためTOEICのような民間の検定試験が併用されることだ。中高一貫校で英語を教えている知人の教師に聞くと、新しい大学入試に対応する準備で慌ただしくしているという。

 記述式の導入について、知人は「採点はどうなるのか。なかなか大変だと思う」と心配していた。

 一方の英語の民間試験導入には批判も少なくない。英語教育の目標は英語でコミュニケーションできる力や情報発信できる力、つまり「使える英語」を身に付けること。しかし民間試験の導入で採点が公平にできるのか、学校の英語教育が資格取得の対策になるのではないかといった意見もある。また、よく言われることだが、いくら英語の技能を磨いても、会話ができるようなさまざまな知識(教養)や読解力がなければ、あまり意味がない。

 大学入試が変われば、高校のカリキュラムも変わる。場合によっては中学も変わるだろう。それだけに大学入試の改革は、親の方も気になるところだ。もっとも、休日は勉強よりも撮り鉄と化す息子を見て、まあ元気ならいいか、とも思う。(誠)