自分の対応思い返す「不登校」


 教育欄を担当するようになって、不登校、子育て、小中高の公教育現場の話を聞く機会が増えた。今になって思えば、もっと、早く(10年とか15年とか前に)真剣に子育てを考えるべきであったなと、いろいろ考えさせられる場面が多くなった。

 昨年末、日本財団が不登校傾向にある中学生、推計33万人という実態調査の結果を発表した。子供が学校に馴染(なじ)まなくなる原因や背景を本音として集めようと、2018年10月、中学生年齢の12~15歳6500人を対象にインターネットで調査し、6450人から有効回答を得た。不登校になった理由は、身体的症状のほか、「授業がよく分からない」「テストを受けたくない」など学業的な要因も多かった。

 「え~そんなに」とか「そんなもんか~」と感じ方は千差万別だと思う。だが、家族にとっては、深刻な問題だし、当の本人が一番つらい思いをしているという。わが家の次女も10年くらい前、中学2年ころから不登校になり、高校受験も諦め、“定時制”の高校に通ったが、友達関係が良くなく、悪い友達に誘われ、学校に行かなくなり、退学してしまった。

 筆者は中学、高校と昭和の色濃い、体育会系の部活で過ごしていた。「体罰容認」「約束を守る」「時間厳守」など厳しく、育てられた。そのこともあって、子育てにも当てはめていた。近年の子育てセミナーに参加すると「体罰は百害あって、一利なし」とよく、耳にする。

 子育てについて、家内は「あなたは、ガミガミ言うだけで、厳し過ぎたのよ、反省してるの」と今でも手厳しい。仕事の合間をみて、もっと話を聞いてやればよかった、一緒に過ごす時間を取ってやればよかったな、行く気になった時、徹底的に寄り添ってあげればよかったかな、あの日に戻りたいという気持ちは尽きないけれど、後悔先に立たずだ。

(和)