ブレグジット特需
地球だより
前々から予想されていたとはいえ、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が、合意なき離脱かもしくは離脱延期になりそうな状況の中、この数カ月、パリの不動産価格が急騰している。
特に高級物件の高騰が目立っている。客層には、ロンドンからパリに引き揚げて来る金融関係のリッチなフランス人が多いそうだ。
パリとロンドンの両方に事務所を持つ大手不動産会社によると、昨年10月頃からパリの不動産需要がかつてない勢いを見せ始めた。専用サイトを通じての問い合わせの75%は英国からだ。
日本円で2億円を超える物件はかつて、売却まで半年から2年かかっていたのが、今ではスピーディーに処理され物件不足状態が起きている。
ブレグジットの不透明感を嫌い、フランス人が多く住むロンドンのサウス・ケンジントン辺りから家族連れでパリに引っ越して来るケースが多い。
パリより不動産価格の高いロンドンの住居を処分すれば、パリで結構いい物件を手にできるという事情もあるようだ。
筆者の友人でロンドンの金融街シティーで仕事をしていて、1月にパリに家族と引っ越して来たブノワ氏は「そのうちパリの生活にストレスを感じるようになれば、郊外の一軒家に引っ越すことも考えている」と語っている。
(M)