[地球だより]
神殿の栄華と屈辱ーエジプトから
地球だより エジプトには、ピラミッドをはじめ巨大な建造物が目白押しだが、神殿群も巨大だ。古代エジプト帝国の首都としてテーベと呼ばれ、エジプト文明の中心だったルクソールにあるカルナック神殿は、世界最大の神殿建造物とも言わ…
三役そろった八田與一慰霊祭ー台湾から
地球だより 5月8日、台湾南部にある烏山頭ダムのほとりで、八田與一の慰霊祭が営まれた。八田は台湾総督府の技師で、日本統治時代の1920年に着工したダム建設の陣頭指揮を執って完成に導き、それまで旱魃(かんばつ)に悩まされ…
変わるオフィスワークーフランスから
地球だより 新型コロナウイルス感染抑止の規制措置が大幅に緩和されるフランスでは、さまざまな変化が見られる。パリで社員400人が働くIT系企業社長はリモートワークのメリットを認め、「感染が収まっても、働き方が元の状態に戻…
食べてはならぬ“猛毒”屋台ータイから
地球だより 日本の食生活に体が慣れ切っているためか、タイでは時に、食あたりでとんでもない目に遭遇することがある。 昔、昼食時に食べたレストランのオイスターオムレツにあたったことがある。大体、海鮮類は傷みやすいし、海老…
17年に1度の騒がしい「事件」ー米国から
地球だより 毎年、夏が近づくと、近所の木の幹には蝉(せみ)の抜け殻を見掛ける。しかし、今年は例年と違い、尋常でない数だ。茂みの中や電灯の柱などにも何十もの抜け殻がへばりついているほか、歩道にも足の踏み場に困るほど散らば…
気になるお札の顔ー韓国から
地球だより 江戸末期に生まれ、明治維新後の経済発展に多大な功績を残した渋沢栄一の肖像画が再来年新たに発行される1万円札に用いられる。NHK大河ドラマで主人公になっていることもあり、日本ではちょっとした「渋沢ブーム」が起…
大国はワクチンで国際貢献をーネパールから
地球だより ネパールでは、オリ首相が、5月10日の下院における不信任決議に伴い辞任した。 背景として、コロナの新規感染者数が4月に比べ60倍以上に増加し、特に辞任前日の9日からは、感染者数が連日8000人を超え、また…
「平和の花」に願いを込めてーイスラエルから
地球だより イスラエルへのロケット攻撃が始まってから1週間以上たった。この間パレスチナ自治区ガザもイスラエル軍による空爆を受け続けている。 国内では、アラブ人による暴動が至る所で起こり、ユダヤ人とアラブ人双方がリンチ…
女性標的の殺人事件が多発ーオーストリアから
地球だより アルプスの小国オーストリアは、欧州諸国の中でも犯罪件数から見て治安は安定している国に属するが、女性を標的とした殺人事件はここ数年多発する傾向が見られる。今年に入って5月15日現在、11件の女性殺人事件が起き…
都会に出てきたオオカミーフィンランドから
地球だより 1匹のオオカミが4月の中旬の朝から夕刻にかけて、首都圏の都市ヘルシンキ、エスポー、バンターで目撃された。家族で散歩中にオオカミに出くわした人の話によれば、最初は大きな犬かと思ったが、すぐさまそれはオオカミだ…
モノクロ写真の力に驚くーブラジルから
地球だより ブラジルを代表する写真家といえば、ドキュメンタリー作家として世界的に知られるセバスチャン・サルガド氏が挙げられる。最新作の「アマゾニア」では、何年もの時間をかけてアマゾン熱帯雨林の深くにまで入り込み、原始生…
現代版「春香伝」はリアルー韓国から
地球だより 韓国で5月といえば「家庭の月」。筆者がソウルに赴任した頃、常駐する外国特派員たちを家族ごと招待するプレスツアーに参加し、有名な説話「春香伝」の舞台となった南東部の南原に行ったことが今でも印象に残っている。 …
コロナ失業互助活動に賛否ーフィリピンから
地球だより フィリピンでは新型コロナ感染の急増で医療施設が逼迫(ひっぱく)し、再び厳しいロックダウンが実施された。復活の兆しを見せていた経済活動も再閉鎖の憂き目となり、たった数週間でマニラ首都圏を中心に100万人以上が…
コロナ禍で地方移住が増加ーフランスから
地球だより 新型コロナウイルス感染対策の外出禁止を何度も経験したフランスで、パリなど都会の住民の地方移住が進んでいる。 今、移住先として最も人気が高いのはフランス南西部のペイ・バスク地方。今年に入り、人口が30%増加…
初代教会の雰囲気残すコプト地区ーエジプトから
地球だより カイロ中心部とマーディ地区の中間にあるコプト地区に行くと、キリスト教初代教会の一つ、コプト教の教会や博物館などがある。 コプト教会は、キリストの弟子マルコがエジプトのアレクサンドリアで伝道したのが始まりと…
伝えたい運動部の良さー韓国から
地球だより 知り合いの息子さんが町内の道場で柔道を習っていた。ある程度上達すると、まだ小学生なのに電車を乗り継いで1時間以上かかる柔道の強化校に転校した。見込まれて柔道で飯を食う道が開けたと思ったのか、ご両親は嬉(うれ…
西ガーツ山脈の恩恵ーインドから
地球だより インド半島の西側には、壮大な西ガーツ山脈がそびえ立つ。一度、ムンバイからプネ経由でゴアまでの約300キロを車で移動したことがある。 西ガーツ山脈を仰ぎ見ながらの旅だった。モンスーン気候の恩恵を受けた緑豊か…
生徒の姿が見えない授業ー米国から
地球だより 先日、いつも通っている理髪店に行った際、中学生の息子を持つ美容師が、「今度の秋から学校が再開されることになった」とほっとしたように語った。学校に行かなくて良いので、その息子は一日中パジャマで過ごしているとい…
フィリップ殿下の「ユーモア」ーオーストリアから
地球だより 英国のフィリップ殿下の葬儀が17日、ロンドン近郊ウィンザー城内の聖ジョージ礼拝堂で執り行われた。筆者も2時間余りの葬儀式典をオーストリア国営放送を通じてフォローした。 エリザベス女王とフィリップ殿下(99…
ユダヤ教徒の苦労ーイスラエルから
地球だより イスラエルでは3月27日の日没から4月3日の日没まで、ユダヤ教徒たちが「過ぎ越し祭」(ペサハ)を祝った。 昨年のペサハは、イスラエルで初めてロックダウン(都市封鎖)があり、親族や友人が集まることができなか…
「ご飯食べた?」が挨拶言葉ー韓国から
地球だより 先日の選挙で10年ぶりにソウル市長に返り咲いた呉世勲氏といえば、多くの市民が前回任期時の小中学校給食無償化を思い浮かべる。当時、議会で可決された無償化を呉氏は「福祉ポピュリズムだ」として反対し、賛否を問う住…
コロナ禍のサマーコテージ人気ーフィンランドから
地球だより 不動産業界のこのほどの発表によれば、サマーコテージの人気が昨年から上昇しているという。サマーコテージの価格は長期にわたって下落していたが、コロナ禍で在宅勤務が増えたことや、自然に囲まれた安全な場所で仕事をし…
土曜日は「フェイジョアーダ」がオススメーブラジルから
地球だより ブラジルの「国民食」と言われる一品が「フェイジョアーダ」だ。黒豆と牛肉、豚の内臓・足などの部位やソーセージを一緒に煮込んだ料理で、現地のレストランでは土曜日のランチに提供されることが多い。 店によっては、…