ディエンビエンフー ニクソンの鋭い状況判断


400

 ディエンビエンフーはハノイから車で半日要した。第2次大戦後の1954年、フランス軍をベトミン(ベトナム独立同盟会)軍が駆逐していった決定的な戦いとなった場所だ。今年はその60周年を迎える節目の年だ。

 町中にある「勝利の記念像の丘」に登ると、周囲をぐるりと山に囲まれた盆地であることが一目瞭然だ。

 口火を切ったのは紅河デルタ地帯を確保するのみだったフランス軍の方だった。補給能力が貧弱とみられたベトミン軍を北西部山岳地帯に誘い出し撃滅する作戦に出たのだ。


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
新規会員登録へ
ログインへ