立憲・国民合流、政策不一致では信頼得られぬ


 しかし、政策の隔たりは大きい。これで国民の信頼を得られるのか疑問だ。

衆院勢力は100人超

 合流会派の勢力は、衆院が117人、参院は61人。参院会派には社民党も参加する。合流は「安倍1強」に対抗して政権打倒を目指すためのものだろう。

 ただ政策面では溝があり、結束には不安を抱えている。例えば10月1日からの消費税率10%への引き上げについて、国民は8%へ戻す法案の提出を検討しているが、立憲は慎重な考えを示している。

 10%への引き上げは2012年6月、当時の民主、自民、公明3党が社会保障と税の一体改革関連法案をめぐって合意したことによるものだ。合意を主導したのは、当時の首相で「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表である。

 これによって民主は分裂し、この年の12月に行われた衆院選で野党に転落した。下野後は党名を変えながら合流や分裂を繰り返し、現在の立憲や国民などになっている。

 臨時国会の焦点の一つである憲法改正論議に関しても、国民が前向きなのに対し、立憲は慎重な議員が大勢だ。このまま政策が一致できなければ「数合わせ」との批判は免れない。国会対応などで足並みが乱れれば、政権批判の受け皿となることはできまい。

 気掛かりなのは、政策の隔たりだけではない。7月の参院選で、立憲や国民は集団的自衛権の一部行使を容認する安全保障関連法の廃止を公約に掲げた。

 安倍政権が憲法解釈を変更して安保関連法を制定したのは、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発によって、日本を取り巻く安保環境が厳しさを増しているためだ。これを廃止すれば、安保上の脅威に十分に対処できなくなるだけでなく、米国との同盟関係にも亀裂が入りかねない。

 立憲や国民が政権批判のために安保関連法廃止を持ち出したのだとすれば、無責任だと言わざるを得ない。さらに参院選では、日米安保条約廃棄や自衛隊解消を唱える共産党と共闘したことも大きな問題だった。これでは国民の支持は得られない。

 合流会派が真剣に政権打倒を目指すのであれば、現実的な安保政策を掲げることが欠かせない。政権担当能力を持った野党が存在しなければ、政治から緊張感が失われていくだけだ。

 参院選選挙区の投票率は48・80%で、24年ぶりに5割を切った。投票を棄権した有権者の中には、安倍政権に批判的な人もいるだろう。だが離合集散を繰り返している野党に対しては、こうした人たちも期待を持つことはできまい。

改憲についても論議を

 憲法に関しても、施行から70年以上が経過しているにもかかわらず、一度も改正されたことがないが、戦力不保持や交戦権否認を定めた9条をはじめ改めるべき点は少なくない。立憲、国民両党は改憲についても与党と論議すべきだ。