沖縄うるま市長選、大接戦で最終盤に


自民、小泉進次郎氏を投入

 最後の「三日攻防」に突入した沖縄県うるま市長選は、新人で前県議の山内末子氏(59)=無所属、社民、共産、社大、自由、民進推薦=が、現職の島袋俊夫氏(64)=無所属、自民、公明推薦=を急追し、大接戦を繰り広げている。島袋陣営は21日、“切り札”の小泉進次郎農林部会長(自民)を投入して必勝を期す。自民党本部は同市長選を「絶対に落とすことができない主要な選挙」と位置付けており、小泉氏の演説をきっかけに風向きを大きく変えたい考え。

 19日に開いた総決起大会には、自民党の山本一太元沖縄担当相、公明党の秋野公造参院議員が駆け付け、「島袋市長を代える理由はない」(山本氏)と訴えた。また、桑江朝千夫沖縄市長は、財政破綻した夕張市の例を挙げ、「(山内氏が公約に掲げる)小中学校の給食費無料、高校生までの医療費無料、給付型奨学金を実践すれば4年以内に財政破綻し、企業も撤退し、人口も流出してしまう」と述べた。これに対し島袋氏は2期8年間で政府との信頼関係を構築し、大幅に失業率を回復させた。

 自民党県連会長の照屋守之県議は、「この選挙の勝敗は来年の名護市長選、沖縄県知事選につながる大きな位置付けだ。単なる市長選ではない」とし、気の引き締めを呼び掛けた。

 一方、翁長雄志知事は20日、市内中心部で山内氏の応援演説をした。県内11市長のうち、翁長氏を支持するのは那覇と名護の2市長だけだ。翁長氏が2014年12月に知事に就任して以来、基地問題が争点となった宜野湾、宮古島、浦添の市長選で自身が応援した候補が続けて敗北している。

(那覇支局・豊田 剛)