「政府主催で式典」を 建国記念の日 都内で奉祝行事


パレードや能を披露

建国記念の日を祝うパレード=11日、東京都渋谷区の表参道(村松澄恵撮影)

 建国記念の日の11日、都内の明治神宮会館で、日本の建国を祝う会(大原康男会長)主催の「奉祝記念行事」が開催された。

 第1部では、主催者を代表して大原会長があいさつし、「建国記念の日は最も重要な祝日だ。祝日法には、本日を『建国をしのび、国を愛する心を養う日』と書かれている」とし、政府主催で式典を開催すべきだと主張した。

 自民党の田中和徳幹事長代理は「我が国を取り巻く安全保障環境は急速に危うさを増している」とした上で、「憲法改正の国会発議に向けて全力を尽くしていく」と決意を表明した。

 31カ国の参列外交団を代表し、サンマリノ共和国のマンリオ・カデロ特命全権大使は、「日本がこれからも世界に対して平和と調和のリーダーであられることを祈念する」と祝辞を述べた。

 第2部では、初代天皇である神武天皇の物語を描いた新作の能『神武』が披露された。困難に立ち向かおうとする主人公の男性が八咫烏(ヤタガラス)に導かれ、神武天皇の神霊と出会い、国を治めていくという物語。

 式典に先立ち、表参道から明治神宮前まで奉祝パレードが行われ、延べ15団体約2000人(主催者発表)が練り歩いた。幼稚園児らによる楽器演奏や祭囃子(まつりばやし)などが行列を盛り上げた。道行く人々は足を止め国旗を振って祝った。夫婦で訪れた主婦の若山美奈さん(35)は「建国を祝うことができて、日本人として誇らしい気持ち」だと笑顔で話した。