太平洋での日比提携の可能性


櫻田 淳

国際安全保障の枠組みに

東洋学園大学教授 櫻田 淳

 過刻の天皇皇后両陛下のフィリピン行幸は、日本と東南アジア諸国との関係を紡ぐ上で画期的な意義を持つものであった。

 就中、天皇陛下が歓迎晩餐会での「乾杯の辞」中、第二次世界大戦時のフィリピン戦を念頭に置きつつ、「この戦争においては、貴国の国内において日米両国間の熾烈な戦闘が行われ、このことにより貴国の多くの人が命を失い、傷つきました。このことは、私ども日本人が決して忘れてはならないことであり…」と述べられた一節は、日比関係における「戦後の和解」を決定的に画するものであったといえよう。


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