日台の信頼築いた八田與一


濱口 和久

台湾教科書に載る日本人

拓殖大学日本文化研究所客員教授 濱口 和久

 日本の大学の大学院で会計学を学び、今年3月、台湾に帰る留学生と食事をする機会があった。そのとき「あなたが尊敬する日本人は誰ですか」と留学生に訊ねると、「台湾の経済発展(農業生産力の向上)に大きく貢献した八田與一(はったよいち)先生です」という答えが返ってきた。

 台湾の留学生が尊敬する八田與一とはいかなる人物なのか。八田は明治19(1886)年、石川県金沢市の農家に生まれる。東京帝国大学土木工学を卒業後、24歳のときに台湾総督府内務局土木課技手として台湾に赴任した。


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