朝日縮刷版無謬神話の終焉


大藏 雄之助

消せぬ「吉田証言」記事

評論家 大藏 雄之助

 ジョージ・オーウェルが1948年に書いた「1984年」は風刺の対象のソヴィエト連邦が崩壊したために読まれなくなったが、20世紀英文学の最高傑作である。この小説の主人公は、スターリンよりもさらに強大な独裁者ビッグ・ブラザーの国の「真理省」で、過去の記録を現状に矛盾しないように作り変える仕事をしている。

 私が特派員として駐在していた1970年代後半のソ連では共産党の体制を保持するために数々の愚かしいことが行われていたが、昔の新聞を書き直すよりはずっと効率的な方法をとっていた。


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