「国民に寄り添いながら」 即位宣言
とばり開き、初めて陛下の姿
令和の正殿の儀「伝統」の形に
22日の即位礼正殿の儀では、皇居・宮殿「松の間」に設けられた高御座のとばりが開かれて初めて天皇陛下が自身の姿を参列者に披露される「宸儀初見(しんぎしょけん)」という形に変わった。宮内庁の山本信一郎長官は「古来から連綿と行われてきた伝統的な在り方」と説明している。
平成の正殿の儀では、参列者が上皇陛下御夫妻の姿を直接見ることができるよう、御夫妻は宮殿中庭に面した廊下を歩いて松の間に入った。
宮内庁によると、今回の形は平安時代前期の儀式書「貞観儀式」など数々の儀式書に記載され、京都御所で「即位の礼」が行われていた昭和以前の形式だ。
今回、「松の間」により近い中庭の参列席はなくなった。代わりに、宮殿内の参列席に前回の倍の数に当たる42~200インチのモニター30台が設置された。
内閣府皇位継承式典事務局の山崎重孝事務局長は「モニターで儀式の様子は十分把握できる。この厳粛な時間と空間を共有することに意義がある」と話している。