天皇陛下 即位を宣言
「象徴のつとめ果たす」
正殿の儀 内外の2000人参列
天皇陛下の即位の礼の中心儀式「即位礼正殿の儀」が22日午後、皇居・宮殿「松の間」で行われた。陛下は即位を国内外に宣言し、「憲法にのっとり、象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と述べられた。
正殿の儀には三権の長や各界代表、外国元首ら1999人が参列。外国からは191カ国・機関などから423人が参列した。皇嗣の秋篠宮殿下ら男性皇族2人と女性皇族9人も出席された。
夜には宮殿で祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」が行われ、天皇、皇后両陛下が海外賓客らに即位を披露し、祝福を受けられた。いずれも憲法上の国事行為である国の儀式。
午後1時5分、天皇専用の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を着た陛下が、皇位の証しとされる剣と璽(じ)などを持った侍従を従えて松の間に姿を見せ、後方の階段から高御座(たかみくら)に御登壇。続いて十二単(ひとえ)姿の皇后陛下が御帳台(みちょうだい)に上られた。
打楽器の「鉦(しょう)」の合図で参列者が立ち上がり、侍従と女官の手によってとばりが開くと、両陛下が姿を現された。高御座の「案(あん)」と呼ばれる台の上には剣と璽、国璽(国の印)、御璽(天皇の印)が置かれた。参列者が「鼓(こ)」の合図で礼をし、えんび服姿の安倍晋三首相が陛下の前に進んで一礼した後、陛下がお言葉を読み上げられた。
平成時の上皇陛下のお言葉を踏襲しつつ「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら」などの文言を盛り込まれた。
続いて首相が「一同こぞって心からお慶(よろこ)び申し上げます」と即位を祝う寿詞(よごと)を述べ、三歩下がって「ご即位を祝し、天皇陛下万歳」と発声。参列者も万歳三唱をした。
とばりが閉じられた後、鉦の合図で参列者が着席。陛下に続き皇后陛下が松の間から退出され、午後1時35分に儀式は終わった。
天皇陛下のお言葉全文
さきに、日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明いたします。
上皇陛下が三十年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御(み)心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。
国民の叡智(えいち)とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。