上皇后陛下が御退院


乳がん摘出手術終え

 8日に乳がんの摘出手術を受けた上皇后陛下(84)は10日午後、東大病院(東京都文京区)を退院された。宮内庁によると、手術後の経過はおおむね順調で、食欲も戻りつつあるという。今後の治療は摘出した組織を検査した上で検討される。

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上皇后陛下は東大病院を退院し、瀬戸泰之院長(右)らにあいさつをされた=10日午5後、東京都文京区(代表撮影)

 午後2時すぎに病院を出た上皇后陛下は、瀬戸泰之院長や執刀医を務めた乳腺・内分泌外科の田辺真彦科長らに「お世話になりました」とあいさつ。報道陣から「ご退院おめでとうございます」と声を掛けられると「ありがとう」と笑顔で応じ、迎えの車に乗られた。

 上皇后陛下はその後、お住まいの皇居・吹上仙洞御所に戻り、夕方には天皇、皇后両陛下がお見舞いに訪れられた。

 上皇后陛下は7月12日の定期健康診断で左胸の乳腺に腫瘤(しゅりゅう)が見つかり、8月2日に組織検査を受けた結果、比較的早期の乳がんと診断された。今月7日に東大病院に入院。8日にがんと周辺の組織を摘出する手術を受けられた。

 手術は全身麻酔を施した上で、乳房を温存する方式で行われた。手術中の検査でリンパ節への転移は認められず、進行度は手術前と変わらず早期の「ステージ1」と判断された。