秋篠宮殿下御夫妻欧州訪問 市民と交流、友好深められる
「皇嗣」初の国際親善
秋篠宮殿下御夫妻は6日、皇位継承順位1位の皇嗣、皇嗣妃として初の海外公式訪問を終え、帰国された。訪問先のポーランドとフィンランドでは、要人だけでなく、地元市民や在留邦人とも積極的に交流し、友好関係の進展に努められた。
◇スマホで記念写真
出発前の会見で「どのようにしたらいい訪問、国際親善ができるのか常に考えながら行っていきたい」と話された秋篠宮殿下。視察先ではその言葉を実践するように、居合わせた人々に自分から近づき、「こちらにはどれくらい住んでいますか」「来てくれてありがとう」などと親しく言葉を掛けられた。
ポーランドの地方都市で地元小学生の伝統舞踊を鑑賞した際は、秋篠宮さまの計らいで子供たちと記念写真を撮る場面も。紀子殿下も公園で出会った赤ちゃんを抱き上げてあやしたり、スマートフォンでの記念撮影に快く応じたりと、各地で交流を深められた。
◇「クラウン・プリンス」に注目
皇嗣となった秋篠宮さまは、海外では「Crown Prince(クラウン・プリンス)」と呼ばれ、皇太子と同等の待遇で迎えられる。訪問先の両国では、代替わりと共に秋篠宮さまが皇嗣となった経緯が報道され、地元紙が大きく御夫妻の写真を掲載するなど注目を集めた。
皇太子夫妻時代の天皇、皇后両陛下は海外公式訪問の際に政府専用機を利用していたが、秋篠宮御夫妻は今回、民間機で両国を訪問された。宮内庁は「皇嗣となる前も民間機を利用しており、特に問題がなかったため」(幹部)と説明するが、ポーランドでは飛行機が遅れ、その後の予定時間がずれることも2回あった。
分刻みで移動する一行の予定が遅れれば、訪問先の人々に大きな影響を与えるだけに、今後飛行機利用の在り方が見直される可能性もある。
秋篠宮家では、御夫妻の長女眞子殿下が今月に南米2カ国を公式訪問するほか、次女佳子殿下も9月に欧州を訪れることが検討されている。皇族数が減少する中、御一家が今後も皇室の国際親善に大きな役割を果たされることになりそうだ。