厳かに「退位奉告の儀」
一連の儀式始まる 皇居
天皇陛下の一連の退位儀式の最初となる「退位及びその期日奉告の儀」が12日午前、皇居内の宮中三殿で行われた。陛下が退位されることと、その期日を先祖などに報告する儀式で、皇太子殿下や秋篠宮殿下御夫妻ら皇族方、宮内庁や皇宮警察の職員ら約40人が参列。憲政史上初めてとなる一連の退位儀式がスタートした。
参列者が見守る中、午前10時すぎ、「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」と呼ばれる天皇専用の装束を身に着けた陛下が、楠本祐一掌典長の先導で、天照大神を祭る賢所(かしこどころ)へ入られた。陛下は中に入られる際、深々と一礼。後に装束の裾や剣を持った侍従が続いた。
賢所の内陣に座った陛下は拝礼の後、自身が退位することと、その期日が4月30日であるとの趣旨の「御告文(おつげぶみ)」を読み上げられた。
陛下はこの後、歴代天皇や皇族の霊を祭る皇霊殿、国中の神々を祭る神殿でも退位とその期日を報告された。皇后陛下はその間、お住まいの御所で静かに待機された。
12日午後には御所で、伊勢神宮、神武天皇陵、昭和天皇はじめ前四代の天皇陵に、陛下が使者を派遣する「勅使発遣(ちょくしはっけん)の儀」が行われた。
退位儀式はこの日を皮切りに、4月30日に国事行為として行われる「退位礼正殿の儀」まで11の儀式が行われる。