「即位礼正殿の儀」まで1年


皇位継承時の中心儀式

 皇太子殿下が来年5月に新天皇となられた後、皇位が継承されたことを国内外に公に示す「即位礼正殿の儀」が、1年後の同年10月22日、皇居・宮殿「松の間」で行われる。

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天皇陛下は即位を国内外に宣明する「即位礼正殿の儀」に臨まれた=1990年11月12日、皇居・宮殿「松の間」

 今月12日に内閣に設置された式典委員会が天皇陛下の御退位に伴う儀式も含めて統括し、宮内庁に設けられた大礼委員会が円滑な実施に向け審議を重ねる。

 即位礼正殿の儀は「即位の礼」の中心儀式で、明治天皇、大正天皇、昭和天皇のいずれの場合も京都御所の紫宸殿で行われた。大正天皇以降は、旧皇室典範(1889年制定)に「即位の礼および大嘗祭は京都においてこれを行う」と規定されていたためで、場所の指定がなくなった今の皇室典範の下で初めて実施された現在の天皇陛下の時(1990年11月)に、宮殿の正殿の中で最も格式が高い「松の間」に移された。

 一方、正殿の儀で天皇陛下が御即位したことを宣言する時に使う「高御座」は、一貫して紫宸殿に保管されている。今年9月25日夜から26日朝にかけ、新皇后が使う「御帳台」と共に解体されて4トントラック計8台で紫宸殿から皇居内に運び込まれた。来年10月の正殿の儀が終わると、過激派によるテロを警戒して自衛隊のヘリコプターで移送した90年時と同様、紫宸殿に戻される。