皇后陛下が「初繭掻」される


 皇后陛下は28日午前、皇居内にある紅葉山御養蚕所で、蚕の繭をその年初めて収穫する「初繭掻(はつまゆかき)」の行事に臨まれた。皇居での養蚕は明治以降の歴代皇后が継承しており、来年の天皇陛下の退位後は皇太子妃雅子殿下に引き継がれる。

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皇后陛下は蚕の繭をその年初めて収穫する「初繭掻(はつまゆかき)」の作業をされた=28日午前、皇居・紅葉山御養蚕所(宮内庁提供)

 皇后陛下は昨年自らわらで編んだ「蔟(まぶし)」と呼ばれる入れ物から純国産種「小石丸」の繭を取り出すと、「きれいな繭になりましたね」とうれしそうな表情。今年も公務の合間を縫って蔟を編んでおり、雅子さまに引き継ぐため「何とかお譲りするまでには編み上げないとね」と笑顔で話された。

 続いて養蚕所の2階で別の品種の繭を収穫したり、機械で繭のけばを取り除いたりする作業に臨まれた。「もう一つ(収穫を)しましょうか、最後だから」と話す場面もあり、終了後は職員に何度も感謝の言葉を伝えておられた。