両陛下、鹿児島3島御訪問
口永良部島の住民と御懇談
避難生活をいたわられる
天皇、皇后両陛下は16日、東京・羽田発の特別機で鹿児島県屋久島入りし、2015年に発生した口永良部島の新岳噴火で一時全島避難した住民らと懇談された。
両陛下の屋久島御訪問は45年ぶり。宮内庁によると、噴火後から口永良部島の住民を気に掛け、面会するため屋久島に足を運ばれた。
懇談場所の屋久島町総合センター前では屋久島や口永良部島の子供ら多くの住民が出迎え、両陛下は「避難生活はどうでしたか」「大変でしたね」などと一人一人声を掛けて回られた。続いて住民5人とテーブルを囲んで御対面。噴火当時の様子や現在の生活に耳を傾けられた。
口永良部島の主婦寺田仁奈さん(36)が避難生活を振り返り、「今は家族4人で元の生活を送っています」と話すと、天皇陛下は「良かったですね」と応じられた。噴火からすばやく全島避難に至った経緯を聞いた陛下は「普段の訓練が非常に大事だと感じられたでしょうね」と述べられた。
皇后陛下は、牛を3頭飼っている山田ヨリ子さん(74)らに「お身体をお大事に。牛さんも」と声を掛け、同センターを後にされた。
島で消防団分団副団長を務める貴船森さん(45)は「陛下がこんな小さな島のことを覚えていてくれてびっくりした」と感激した様子だった。
両陛下は16日午後、沖永良部島入りされた。17日は与論島を御訪問。18日は沖永良部島のユリ農家や小学校を訪れ、帰京される。