天皇陛下、83歳に
ビデオメッセージ後初の御会見
退位議論に「深く感謝」
天皇陛下は23日、83歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、皇居・宮殿「石橋の間」で記者と御会見。退位の意向を強くにじませた8月のビデオメッセージについて「ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました。多くの人々が耳を傾け、各々(おのおの)の立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」と述べられた。
陛下の会見はメッセージ公表後初めて。この1年を、1月のフィリピン公式訪問から振り返り、「戦没者の霊の鎮まる場を訪ね、冥福を祈る機会を得たことは、有り難いことでした」と話された。
続いて発生から5年となった東日本大震災に言及された。3月に福島、宮城、9月に岩手と、3県の被災地訪問を踏まえ、「今なお多くの人が困難をしのんでおり、1日も早く日常を取り戻せるよう、国民皆が寄り添い、協力していくことが必要と感じます」と訴えられた。
5月に熊本地震の被災地を御訪問。「被害の大きさに胸を痛め、皆が協力し合って困難を乗り越えようと取り組んでいる姿に、心を打たれました」と感想を述べられた。8月に台風10号による大雨が北海道や岩手県を襲い、高齢者施設などで多くの犠牲者が出たことも「痛ましいこと」として挙げられた。
10月、叔父の三笠宮殿下が100歳で薨去。「戦争を経験された皇族であり、そのお話を伺えたことは意義深いことでした」としのばれた。
日本人選手が活躍したリオデジャネイロ五輪・パラリンピックにも触れ、「オリンピックと同様に、パラリンピックにも多くの人々の関心が寄せられていることをうれしく思いました」と述べられた。