平和への誓い新たに 、天皇陛下「深い反省」


71回目の終戦記念日

 71回目の終戦記念日を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が天皇、皇后両陛下をお迎えして、東京・千代田区の日本武道館で開かれた。安倍晋三首相ら各界の代表、戦没者遺族ら約6000人が参列し、先の戦争の犠牲となった約310万人の冥福を祈るとともに、平和への誓いを新たにした。

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天皇、皇后両陛下は全国戦没者追悼式で黙とうされた15日正午、東京・千代田区の日本武道館

 式典では、正午に参加者全員が1分間の黙祷(もくとう)。続いて、天皇陛下が「さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」とお言葉を述べられた。天皇陛下はお言葉の中で、昨年に続き「深い反省」に言及された。

 安倍首相は式辞で「尊い犠牲の上に私たちが享受する平和と繁栄があることを片時たりとも忘れない」と哀悼の意を表明。「戦争の惨禍を決して繰り返さない。この決然たる誓いを貫き、歴史と謙虚に向き合い、世界の平和と繁栄に貢献し、万人が心豊かに暮らせる世の中の実現に全力を尽くしてまいります」と述べた。

 また、遺族を代表して父親がフィリピン・ルソン島で戦死した広島県東広島市の小西照枝さん(74)が「再び悲惨な戦争を繰り返すことなく、世界の平和、命の大切さをしっかり後世に繋(つな)ぐべく、たゆまぬ努力をいたします」と誓った。

 厚生労働省によると、参列した遺族の最高齢は夫を亡くした中野佳寿さん(101)=東京・多摩市=で、最年少は曽祖父が亡くなった宮城翔龍君(5)=沖縄・うるま市=だった。参列予定者のうち戦没者の父母は6年連続のゼロで、妻は過去最少の7人。戦後生まれは1192人と遺族全体に占める割合が過去最高の23・2%となり、世代交代が進む。

 今年の式典では、若い世代の参加を促すため、昨年から始まった地域ブロックごとの「青少年代表」に加え、18歳未満の14人が新たに設けられた「献花補助者」として献花者に花の手渡し役を務めた。